コーカサス

理由のコーカサスのレビュー・感想・評価

理由(1995年製作の映画)
3.5
ジョン・カッツェンバックの同名小説を主演のショーン・コネリー自らが製作総指揮を務めたミステリー映画である。

フロリダで起きた白人少女の強姦殺人容疑で死刑判決を受けた黒人青年ボビー(アンダーウッド) は、無実の罪を晴らすために死刑反対論を唱える大学教授のポール (コネリー) に一通の手紙を書いた。
ポールが調査を始めると次々と不可解な点が浮かび上がり、真相はボビーと同じ刑務所に収監されている死刑囚サリバン (ハリス) へと辿り着く。

タイトルの“理由”とは、まさしく殺人の理由を意味していると思われるが、その理由付けが雑過ぎて、少々まとまりに欠けるのが残念。
これだけ見事に騙し続けたのだから、尺を伸ばしてでも、もう少し“彼らの” 理由を丁寧に描いてほしかった。

とは云え、主役のコネリーは勿論、脇を固める個性派俳優たちの芝居は素晴らしい。
ローレンス・フィッシュバーン演じる悪徳警官ぶりといい、特にエド・ハリスの怪演はメソッド演技そのものだ。

因みにコネリーの妻を演じたケイト・キャプショーはスピルバーグ夫人であり、その娘を演じたのは当時11歳のスカーレット・ヨハンソンである。

21 2021