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綿の国星のmizukiのレビュー・感想・評価

綿の国星(1984年製作の映画)
4.5
作画が神。ずっしり重さのあるふわふわ感。パステルで、優しい世界で、ファンタジーなんだけど、地に足がついている。確固たる裏テーマは「死」だった。「死」との向き合い方が素晴らしい。天国を称賛はしないし、地獄を蔑むこともない。自分の一生に思いを馳せる。考えても、誰も死んだことないんだからわからない。でも、ある時自分はたくさんの死の上に成り立ってるって気づく。肉、魚、野菜、全部生きていたものを殺して食べている。食べないことが、優しいこと?食べないことで自分が死んだら悲しむ人がいるよね〜っていうのは若干説教くさいかもだけどまじでそう。'無害でいる'という優しさは、実のところこの世との関わりを絶っているだけで本当の優しさではないと思います。それよりも、自分の凶暴さをわかり、受け入れ、殺した・傷つけた手触りを忘れないでいることの方がよっぽど優しい。この世の中は、そういう優しさをわかっていないなって人が多すぎる。もっとちゃんと、関わった方がいい。無関心って残酷。なにも良くならない。
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