くぅー

ビルマVJ 消された革命のくぅーのレビュー・感想・評価

ビルマVJ 消された革命(2008年製作の映画)
4.0
まずは、改めて故・長井健児氏に合掌させて頂きます・・・あの当時、ニュース映像では何度か射たれたシーンは目にしたのだが、断片的に見たものとは比べものにならない本作でのインパクトには、言葉を失ってしまった。

"サフラン革命"を隠し撮りに近い迫真の映像で見せるドキュメンタリーで・・・タイトルのVJはビデオ・ジャーナリストの略だが、その前にビルマとしているのが、ある意味で全てを物語っているだろうか。
そう、国際的にはミャンマーが正式な呼称だが、軍事政権下のこの呼び名を嫌う民主化を望む人々は、以前のビルマを使っての密かな抵抗をしていたりする。

で、ビルマの民主化と言えば、アウン・サン・スー・チー女史が登場する訳だが、そこには重きを置かず、この革命がある力によって消されるまでを淡々と映し出す。

ナレーションや編集にはちょっとした疑問も感じたが、真っ直ぐでタフな作品なのは間違いなく・・・米国アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリーに選ばれるのは、あのイルカ捕獲問題ではなく、本作じゃないのかと、個人的には思ったのだった。
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