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ブロークバック・マウンテンのkのレビュー・感想・評価

3.2
1960年代を舞台とした2人のカウボーイの間の、「友情」というワードでは片付けられない程の絆や愛情について描いた映画。

※以下ネタバレ含む



まず、この映画は序盤から音楽がとてもとても良い。
そして羊を連れて大移動したり、カウボーイたちがブロークバック・マウンテンで思うがままに生活をしたりなど、見ていて微笑ましい大好きなシーンもたくさんあった。
そしてそして、ヒース・レジャーの名演である。当時24歳にして、主人公が20歳過ぎくらいだった頃から40歳代に至るまでを、少しのメイクとあとは演技力だけで表現し切っているのはさすがに凄まじすぎる。。。
そういう意味で、この映画はかなりハード面の質が高く、素晴らしい作品なのだと思った。

但し、ソフト面、つまりシナリオなどについてはかなり疑問が残った。
この映画では同性愛について取り上げてられており、社会的抑圧を受けながらも本当の幸せを追い求めるカウボーイ2人の様子が描かれている。
舞台が1960年代なのだからきっと同性愛に対する社会的抑圧はかなり大きかったものだっただろうとは思うが、実際には、映画としてはそこへ具体的にフォーカスすることはほとんど無い。
それにも関わらず、アルマと結婚をした主人公のイニスは結局、最終的には自分にとっての本当の幸せに走り、家族を傷つけてしまった。この部分がどうしても心に引っかかった。
これについては同性愛・異性愛などはもはや関係なく、そもそものエシカルな問題だと思う。
これが美しいストーリーとして評価されるのが何故なのか、今の自分の感性では理解に及ばない。。。
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