方眼

ブロークバック・マウンテンの方眼のレビュー・感想・評価

4.3
2005年”Brokeback Mountain”。1963年から約20年にわたる二人の交流。牧場農夫イニス・デル・マーは茶系の服でメソジスト派(規律重視、父の教え)。ロデオカーボーイのジャックは青系でペンテコステ派(音楽に関係深く、ジャックも歌う)。初め同じようにうつむき加減な二人だが、最後までヒース・レジャーはその姿勢。西部劇でよくあるサインやリズムも監督は踏襲し、同じコップの飲み物を分け合う、ひげを剃ったらそのあと恋愛、会話の芝居を遠景と音楽でブリッジする。いっぽうで荒くれ牛や馬のトレイルではなく、やさしい羊の放牧っていうのも意味深。二人の結婚相手やその後の恋人から娘まで、美人ばっかり出演、余計に男たちを際立たせる。安定の静かなイカリ演技ミシェル・ウィリアムズ(彼女が出てるからだけではないが、ワイオミングでは常に地平線の位置を気にしてしまう)。ロデオガールが人形みたいなアン・ハサウェイ。これ男同士の愛を強調したらゲイ映画と見られるが、配偶者視点では仮に恋愛してなかったとしても、家庭を放って楽しそうにしてる勝手な男どもの話で、そういう普遍性もある。イニスの娘にはアルマは言わなかった。ジャックの実家(ハンマースホイ風な内装)は父も母も知ってたが、捉え方は夫妻でちょっと違った。アメリカの自然と、周りに言えない二人だけの純愛、観終わって「マディソン郡の橋」を思った。
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