カッチェ

ブロークバック・マウンテンのカッチェのレビュー・感想・評価

4.2
感想①「見返すことが辛い映画」
映画の内容的にもそうだが、なによりヒース・レジャーがもうこの世に存在しないということが辛い。初めて鑑賞する前から切ない映画だとは思っていたが、ヒースが亡くなってしまった今、私にとっては見返したいけど見返すのが辛い映画になってしまった。

感想②「20年以上の愛を描いている作品」
1960年代~1980年代に保守的なアメリカの西部で20年以上にわたり愛を貫いた男性二人の物語です。主演の二人は20歳から40歳までの彼らを見事に演じ切りました。現代でもまだまだ同性愛については偏見が強く生きにくい世の中ですが、この映画の舞台となる年代では罪人扱いされるほど。その苦悩がしっかりとそして丁寧に描かれています。

感想③「ただ二人は愛し合ってただけ」
同性愛を描いた映画ですが、愛に罪があるのだろうかと考えさせられる映画です。人種が違うから、宗教が違うから、家柄が違うから、格差があるから…それ以外にもただ愛し合ってるだけなのに、周りから祝福されない愛が多くあると思います。彼らはブロークバックという山の中で羊番をしている時だけしか素直に気持ちを伝えられず、世間を気にしてそれぞれが違うパートナーと結婚し子供が出来、しかしお互いを愛する気持ちをどうしても忘れられない。その長い長い20年以上の葛藤を描いたこの作品を観て、色々と考えさせられた人が世界中にいるはずだと思います。

感想④「名優の演技」
寡黙で不器用すぎるイニスを演じたヒース・レジャー。明るく楽天的だが誰よりも深い愛を持つジャックを演じたジェイク・ギレンホール。ジェイクは難しい役柄を今でもたくさん演じてますね。ヒースが生きていれば、また違った作品で二人の共演が観れたかもしれないと思うと本当に残念です。ですが、この映画で名優二人が共演してくれて良かった。一度だけでも、その作品が観れて良かった。
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