ジェイコブ

黄金の七人のジェイコブのレビュー・感想・評価

黄金の七人(1965年製作の映画)
4.0
ここはスイスのジュネーブ銀行。分厚い壁と厳重なセキュリティに守られた金庫から、今まさに「教授」をはじめとする7人の強盗が、7トンもの金塊を盗み出そうとしていた。頭脳明晰な教授の指示のもと、計画通りに金塊を盗むことに成功した7人。予定通りに進んでいたかに思えたが、リーダー格の教授と紅一点の美女ジョルジャにはある思惑があった……。
ルパン三世やオーシャンズシリーズなどに多大な影響を与えた犯罪映画の金字塔。銀行強盗を題材にする映画と言えば、強盗団の結成~計画から描く事が多いが、本作は前段階は一切はぶき、強盗を始めるシーンからスタートする。振りかかる想定外の事態や、分前を巡る争いなど、大抵は血が流れる場面でも、死者や怪我人は全くといっていいほど出ず、軽快な音楽やコミカルなキャラクター達のおかげで、最後まで笑いながら見ることができる(特に最後の、完璧に見えた計画の詰めの甘さ笑)しかし、あれだけ苦労して盗んだ金塊が、結局手に入らないにも関わらず、「ま、次があるでしょ」と怒らず前向きに考えられるのは、さすが陽気なイタリアの国……と感心させられる(日本やアメリカだったら殺し合いになりそう)