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キャンディマンのネットのレビュー・感想・評価

キャンディマン(1992年製作の映画)
4.5
陶酔、幻惑、信仰、伝説、パラノイア。最高。ここまで血が官能的なホラーは貴重。そういう感じはイタリアのホラーに感じるのだけど、やっぱりそういう意識なのか虫(今回は蜂)が大量に出てくる。死、殺されること・殺すことに陶酔感がある。
ソフトフォーカスしかり、自宅の窓から見える風景のセットもろ出し感しかり、古典的ハリウッドの撮影を意識してるように見える。あの家から見える書き割風景は『めまい』に出てくる女友達のアトリエから見える風景を思い出す。
駐車場でご本人登場、からの血まみれテレポートのわけのわからなさ、すごい。あのドライブ感がたまらない。キャンディマンの立たせ方、何が映ってるかわからないフラッシュバックの危うさだけを感じる赤さ、そして意味不明な涙。ドアを開けた先の血だまりと首。天井が反射してたり、殊更にカメラが寄らないのが生々しくて崇高さすら感じる。ずっと聞こえる叫び声も素晴らしい。
あの血まみれの穴も良い。トイレで倒れる子供の死体と血もすごいし、とにかく総じて美術の極致という感じ。
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