犬里

キャンディマンの犬里のレビュー・感想・評価

キャンディマン(1992年製作の映画)
4.0
2021年版のキャンディマンが面白かったのでレンタルしました。この年代のホラーのテンプレート的に、金髪白人女性と不気味な殺人鬼が出てくる…んだけど、ストーリーは全然テンプレート通りではなく、金髪美女が怪異に襲われてキャーキャー言うのを楽しむ映画では決してない。
主人公が訳の分からぬままに加害者になっていく悪夢的な展開が、スリリングで耽美で、とにかくラストまで展開が読めなくて素晴らしい。
黒人の貧民が暮らすカブリーニ・グリーンの物騒な感じも生々しく、白人女性だけで訪問するシーンの緊迫感がすごい。同じ人間同士なはずなのに、何で住む場所がこんなに違っていて、お互い警戒しないといけないんだろうと思ってしまった。
あとトイレの汚そう・臭そうな感じが印象的!画面を見ながらヘレンと一緒にオエーてなってしまった。Falloutで見たことあるようなボロボロのトイレ…!
1992年のホラー映画にして、人種差別や人々の悲しみに深く斬り込んでおり、当時としても革新的な作品だったのではないか…?

2021年版の冒頭で語られるヘレンの都市伝説と本作の内容を比較すると、都市伝説が伝わっていく生々しさが感じられてそれも素晴らしい。
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