スローモーション男

二十才の微熱 A TOUCH OF FEVERのスローモーション男のレビュー・感想・評価

二十才の微熱 A TOUCH OF FEVER(1993年製作の映画)
4.8
 橋口亮輔監督が、ぴあフィルムフェスティバルのスカラシップ製作で作った作品。

 うん、めっちゃ好きな映画だった。
ゲイバーで働く大学生の男と周りの人々

後の『渚のシンドバッド』や『ハッシュ!』に通ずるような橋口亮輔のテーマがしっかり出ている。
人を愛しているのに伝えられない悲しさが全面に出ている。この監督はやはり凄かった!

特に長回しは素晴らしい!片岡礼子演じる先輩の家でご飯食べるシーンは10分ぐらいカメラ固定で撮ってる。なのに、そのお父さんとゲイバーで肉体関係になったりして気まずかったりと場面が面白くて飽きない。

片岡礼子の役が本当に素晴らしい。今で言うアセクシュアルですよね。あれが『ハッシュ!』ではやさぐれた役になってしまうのですから。

異性愛だろうと同性愛だろうと好きという気持ちは変わらない。でも、やっぱり人を好きになるのは覚悟と責任が必要なんだな。
もう何もかも好きな作品でした。