松井の天井直撃ホームラン

コータローまかりとおる!の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

コータローまかりとおる!(1984年製作の映画)
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↓のレビューは。今はもうなくなってしまった映画レビューサイトに、鑑賞直後に投稿したレビューを。こちらのサイトに移行する際に、以前のアカウントにて投稿したレビューになります。

☆☆☆★★

徹底的に若い女の子のパンチラにこだわる、鈴木則文の素晴らしき映画愛に感動すら覚える。

公開当時は興味が無くスルーしていた本作品だが、観終わって「何故当時に観ていなかったのか〜」と反省する事しきり。

いきなり斉藤ゆう子が出現し、懐かしさに酔う。
その後も若かりし頃の真田広之:伊原剛志:山口良一:志穂美悦子等が次々と登場。果ては千葉真一までも登場しては感涙に咽ぶ。

オープニングでのミュージカル調の場面からして既に“ぶっ飛んでいる“のだが、『トラック野郎』シリーズでお馴染みの“すっとぼけた“追っかけ&喧嘩の場面では【相変わらず】の鈴木則文調に安心&苦笑する事しきり。
思わず「やってる!やってる!」と、ニコニコしてしまう。

主役は芸能界を直ぐに引退してしまった様ですが。百人組み手の場面では、あのタランティーノが『キル・ビル』を撮る際に、千葉真一と同様にわざわざ出演を願った様に、『キル・ビル』での影響力を確かに伺わせる。
他にも、志穂美悦子が花を切り散らす場面等は。鈴木則文監督自身が過去に撮った『猪鹿お蝶』での花札を舞い散らす名場面でも有り、観ていて感慨深いものが有りました。

途中で『カリオストロの城』にオマージュを捧げるが如く、かなりの部分を模倣。作品の骨格をかなり逸脱するが。「だからどうだってんだ!」ってばかりに、最後まで一気に駆け抜ける。
その間に首尾一貫して貫くのは【若い女の子のパンチラ】なのだから…。これはもう脱帽有るのみなのだ。

(2015年7月22日/国立近代美術館フイルムセンター大ホール)