ギズモX

2010年のギズモXのレビュー・感想・評価

2010年(1984年製作の映画)
3.5
キューブリックが監督したSF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』の正統派続編。
ロイシャイダーが『2001年』の事件を追って、木星圏に漂流したディスカバリー号へと乗り込む話。

キューブリック版にはあった神秘的な描写や技術の先見の明は鳴りを潜めたものの、『2001年』では描写されなかった地球の情勢や事の巻末が描かれており、『2001年』をある程度理解できるようになる作品。
世界情勢が冷戦真っ只中で世界大戦直前だったことに驚き。

説明だけの映画なのかなと思っていたら、
ラストのラストで人間とHALが和解してて、HALが"嘘"ではなく"真実"を得る結末には本当に嬉しかった。
最後のカットは前作より好きかも。
ただ、ちょっと引っかかったことが。
そんなことで戦争が終わるとは思えない。
終わってほしいけど。

あと、もう一つ。
あのシンエヴァでテーマソングが流れた東宝の珍作『さよならジュピター』
最初に見た時は(何でこんなに話を詰め込むかなあ)と思っていたんだけれど、その後にこれを見たら驚いた。
『さよならジュピター』であった要素がこの作品の中にも入っているじゃありませんか!
木星圏での生命体とか、イルカとか!
ああ、東宝はこれをやりたかったんだなと。
んで、ガワだけでやっちゃったからああなってしまったんだなと。
なんかその時納得できた。

HALに泣ける作品です。
【私はどこへ】
【僕のいる所へ】
ギズモX

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