イチロヲ

2010年のイチロヲのレビュー・感想・評価

2010年(1984年製作の映画)
4.0
ディスカバリー計画を地上から指揮していた大学教授が、木星での事故発生を受けて、宇宙空間の現場へと出立する。キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」から物語が継続している、SFサスペンス。小説版の作者が脚本に携わっている。

飛行士に任務を与える側だった人間が、自らの意志で前作の謎を解明させようとする物語。宇宙飛行士ではない、素人というところが良い味付けになっており、宇宙空間ではアメリカとソ連が切磋琢磨。互いにアドバイスを交わしながら、作戦を遂行していく。

物語のキーとなるのは、やはり人工知能HALの存在。ネタバレに直結してしまうため、深いところまで言及できないが、「人工知能が"神的"存在に成り得る世界」を描いているように感じられる。

調査船の乗務員たちは、アメリカ政府とソ連政府の傀儡にされている立場。人工知能HALは、乗務員とアメリカ政府の傀儡にされている立場。こんな相関図を思い浮かべながら鑑賞するスタイルが良策。
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