あしからず

船場の娘より 忘れじの人のあしからずのレビュー・感想・評価

船場の娘より 忘れじの人(1955年製作の映画)
3.0
18歳から46歳までを違和感なく演じきる22歳の岸恵子。大きなりぼんに三つ編み着物姿の岸とジーン・セバーグのようなショートカットにワンピースの安西郷子という親娘の世代の対比が象徴的。

いいところのお嬢さんだった岸恵子の身分違いの恋と出生の秘密、その後の波乱の人生を紡いだ古い少女漫画のような作品。原作は織田作之助の「船場の娘」。
使用人に恋をした18の頃を演じる岸恵子の無垢なかわいさときたら。自分もこんなすてきなお嬢さんに英語を教わりたい。

辛い過去を歩んできた母と希望を胸に出発する娘。時代がちがうと言ってしまえばそれまでだがやはり切ない。あの男が優柔不断だからあかんのだ、あの男が。
それでも娘を送り出す岸恵子の顔は晴れやかな母の顔だった。
あしからず

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