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ニコライとアレクサンドラのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

ニコライとアレクサンドラ(1971年製作の映画)
3.8
最近また『ゴールデンカムイ』を読み始めたので、その頃のロシア歴史背景おさらいの為に鑑賞。ロシア最後の皇帝ニコライ二世とアレクサンドラ皇后 、息子1人と娘4人(一応 ナターシャって名前の女のコはいなかった)のロマノフ家の末路が描かれる。娘の1人で有名なアナスタシアは他にも映画やアニメになっている。

最後の皇帝ニコライ二世の祖父アレクサンドル二世が『ゴールデンカムイ』で1881年にウィルクの爆弾によって暗殺された人物ってことだった。

1904年 日露戦争で旅順港陥落を巡る議論の最中に息子アレクセイが誕生。病弱なアレクセイ皇太子の助言者として母アレクサンドラ皇后に取り入るのが祈祷僧ラスプーチン。こいつがロシア帝国崩壊の一因となった怪僧で、他の映画では『ヘルボーイ』にも出てくるし『キングスマン』の最新作にも登場予定。酒浸りで信者の女たちと淫らな関係にあるとこは60年代アメリカでいうとこのチャールズ・マンソンみたいな存在。

その頃、革命集会でスターリンが出会ったレーニンは左派ボルシェビキ党を立ち上げようとしていて、労働者による平和的抗議で軍隊が発泡し多数の死者を出した1905年 血の日曜日事件がロシア革命の引き金になる。

1914年に第一次世界大戦が勃発しロシア兵を戦場へ総動員した皇帝ニコライ二世はドイツから宣戦布告される。700万人の戦死者を出してしまったニコライ・ロマノフ。

1917年にレーニン政権が誕生して皇帝の座を追われたニコライたちロマノフ一家は戦犯囚人となり、優雅な暮らしから一転、−21℃のシベリアへ収容される。300年以上続いた王朝ロマノフ家の崩壊。

最後の皇帝だからか波瀾万丈ぶりが『ラストエンペラー』の愛新覚羅溥儀と被ってしまう。むしろこっちのほうがヒドイかも。そしてこれも史実だから仕方ないのか、最後が凄いイヤな気分というか、怖かった。でも近代ロシア史の勉強にもなったし間違いなく見て良かった映画でした。さてゴールデンカムイの続きを見るとするか。