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ニコライとアレクサンドラのstanleyk2001のレビュー・感想・評価

ニコライとアレクサンドラ(1971年製作の映画)
3.9
『ニコライとアレクサンドラ』(Nicholas and Alexandra)1971

ロマノフ朝ロシアの最後の皇帝ニコライ2世と皇后アレクサンドラの物語。

日露戦争中、旅順の戦いに苦戦する首相ウィッテは戦争を止めることを提案するがニコライは全く聞き入れない。

学生たちは戦争に反対してデモを行う。

神父が皇帝に平和的に嘆願書を渡そうとしたがパニックに陥った兵士たちに射殺されてしまう。「血の日曜日事件」1905年1月9日

アレクサンドラは息子の血友病を治した(?)とラスプーチンを信じ込む。物事の判断を全てラスプーチンに委ねるアレクサンドラの様子に国民の不満は高まって行く。遂にラスプーチンは王子たちによって暗殺されるのだが青酸カリを飲んでも死なず銃弾を何発も受けても死なずに這いずり回るラスプーチンの姿は恐ろしい。

第一次世界大戦が始まるが兵士は反抗し上官達も皇帝の命令を聞かなくなった。皇帝は退位。ケレンスキーが率いる臨時政府が戦争を続行する。スイスからボルシェビキの指導者レーニンがロシアに到着しケレンスキーの白軍とレーニンの赤軍の内戦が始まる。

白軍からシベリアに移動させられたニコライ2世一家は赤軍に身柄を引き渡される。ところがニコライ2世一家を住まわせた地域に白軍が迫ってきたので赤軍は一家を全員を銃殺した。

この銃殺前の場面がさすがシャフナー監督と言う切れ味だった。皇帝一家は「移動するからこの部屋で待ってくれ」とがらんとした部屋に案内され扉が閉じる。迎えを待つ一家。閉じた扉。一家。閉じた扉。一家。閉じた扉。何も起こらないカットの積み重ねが怖かった。

インターミッション含めて3時間超え。映画としてエキサイティングかというとそうでもないが歴史の記録としては大事な映画だと思った。

ニコライ2世の考え、行動がプーチンそっくり。独裁、人の意見を聞き入れない、反対者を処刑。ロシアの独裁・権威主義体制はニコライ2世からスターリン、プーチンに引き継がれたのか
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