再鑑賞。
借金返済と店の開店資金を捻出する為に夫に結婚詐欺をさせる妻。
またしても嘘がテーマ。松たか子の物言わぬ真っ黒な瞳が忘れられない。夫と妻の夢だったはずが、いつの間にか夫の気持ちを置いてけぼりにした妻の暴走になっていたのが切ない。途中まではとにかく面白くてこれは西川美和最高傑作になると思っていたが、終盤の展開がどうにも腑に落ちない。ある人物の重大な罪が裁かれないまま終わってしまうことが気になった。それが夫妻の罪の重さをより強調するのかもしれないが、このことがその人物にとって良い事だとは到底思えない。この先続く長い人生を考えると引っかかった。
まあ、それはそれとして今作で様々な女性たちの生き様が描かれていて、各々魅力的で引き込まれる。特に安藤玉恵のある台詞には毎回グッときてしまう。今回もしっかり涙しましたw
