もちお

夢売るふたりのもちおのネタバレレビュー・内容・結末

夢売るふたり(2012年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。
 好きなところもありますが、あまり乗れなかったです。
 特に終盤のある展開が飲み込めなかったです。

①良かったところ
・劣等感を募らせていく夫
 そもそもの火事の原因が初歩的に見えました。
 慣れてきた頃が一番危ないと言いますか、ドキッとしました。
 そこから懸命に働く妻。
 腐っていく夫。
 対比が強烈でした。
 どんどん悪い方向に進んでいく夫が生々しかったです。

・ひとみさん
 ウェイトリフティング選手のひとみさん。
 とても良かったです。
 アスリートとしての生き方と、家庭的な生き方。
 体を鍛えれば鍛えるほど遠ざかる「普通」の人生。
 葛藤が伝わってきました。
 ひとみさんメインで1本観たかったです。

・松たか子さん
 暗くなっていく表情。
 余裕がなくなり、暴走直前まで至る過程。
 伝わってくるものがありました。

②気になったところ
・詐欺に至る流れ
 よく分からなかったです。
 手切れ金を「要らないから。」と渡されたのと、お金を騙しとるのは違うわけで。
 浮気された妻が負い目のある夫に指示を出す。
 そういう意味では納得できましたが、全体的には乗れなかったです。

・コミカルなトーン
 好きじゃないです。
 「悪人たちからお金を騙しとる」といった映画であれば別ですけど、非のない人たちが騙されていくので・・・
 懸命に稼いだお金が詐取されていく様を観ていると、嫌悪感を覚えました。
 本作はコミカルなだけではありませんが、モヤモヤしました。

・包丁で・・・
 終盤に子供が刺してしまうわけですけど、全く飲み込めなかったです。
 殴られている最中であれば分からなくもないですが、怪我の心配をされている時に刺すのが謎でした。
 大人が罪を被ったようですけど、誤魔化せるのかも疑問でした。
 あの場にいた全員が口裏を合わせたということでしょうか。
 だいたい子供とは言え、さすがに包丁の危険性は分かるのではと思いました。
 遊びのチャンバラと包丁では全く違いますし。
 そして、刺した後に母親に駆け寄る子供。
 怖かったです。
 最終的に何事もなかったかのように暮らしているのもゾッとしました。
 ホラーなのかと思いました。

③まとめ
 気になったところが大きいです。
 全体的には乗れなかったです。
 ただ、好きなところもあります。
 観て良かったです🙇‍♂️
もちお

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