あなぐらむ

都会の空の用心棒のあなぐらむのレビュー・感想・評価

都会の空の用心棒(1960年製作の映画)
4.0
ラピュタ阿佐ヶ谷で鑑賞。

「拳銃は俺のパスポート」の野村孝監督のヘリアクション。
小林旭と浅丘ルリ子の黄金コンビで描くまさに単純明快、痛快無比な娯楽編。

1960年、オリンピック前の西武池袋店屋上を飛び立つヘリから見る景色が最高。旭の身体能力の高さ、歌声に痺れる。(この池袋西武のヘリポートは大映「投資令嬢」にも登場。売出し中だったのかな)

旭のライバルとなるアイスピックしか使わない殺し屋・ジェリー藤尾はクールで宍戸錠とはまた違う味わい。
野村孝演出は日活アクションの結構の中で大胆かつスピーディに物語を進め、難題であるヘリの見せ場も見事。この年四作も監督という離れ業。

小林旭はほんとに身体能力高い。クライマックスは長回しの殴り合いシーンなんだが、高低差を作った日活お馴染みのセットでひらりと飛び上がって殴り、降りながら蹴り、まぁアクション監督いらずな動き。
突然キャバレーのコーラスに割って入るシーンはミュージカルみたいだ。
その主題歌「都会の空の用心棒」もいいが、「旭のお江戸日本橋」が最高。軽妙な節回しでついつい乗ってしまう。マンドリン?チター?による「月の砂漠」もしみじみ。歌謡映画の味わいもある。
髪の長いルリ子さんはライダーヒロイン程度の役柄だけど、二人が並ぶとやはり華がある。