ほーりー

ハタリ!のほーりーのレビュー・感想・評価

ハタリ!(1962年製作の映画)
3.8
巨匠ハワード・ホークス監督によるサファリ・アクション&コメディ。

この映画の名前は知らなくても、ヘンリー・マンシーニによる挿入曲「子象の行進」を聴いたことない人はまずいないでしょう。

おそらく本作がいまだに語り継がれる映画になったのは、この曲の功績が大だと思う。

「ハタリ!」のタイトル通り、ムーやシロサイとのカーチェイスシーンなど本当にハラハラするのだが、どこかノホホンとするようなユルい雰囲気が全般に漂っている。

週末に家族みんなで観に行けるような正真正銘の娯楽映画……そんな楽しさをこの映画からまず受ける。

動物園などからの依頼に応じて、武器を使わず猛獣を無傷のまま捕獲する専門チームが、あの手この手でアフリカの猛者たちの捕獲に奮闘するというストーリー。

捕獲チームのメンバーはまさに多国籍軍といった感がある。

アイルランド人のジョン・ウェインをリーダーに、アメリカ人のレッド・バトンズ、ドイツ人のハーディー・クリューガー、紅一点のフランス人のミシェル・ジラルドンという個性豊かなメンバーばかり。

そこに、捕獲チームの取材にやってきたイタリア人女性キャメラマンのエルザ・マルティネリや、冒険に憧れて単身やってきたフランス人青年ジェラール・ブランも加わって、さらにチームはにぎやかになる。

最初は水と油だったウェインとマルティネリが次第に恋仲になったり、ジラルドンをめぐってクリューガーとブランが対立したりと、徐々に人間関係が変化していくのが面白い。

辺境の地に都会から女が来てひと波乱が起きるという構図は、ホークス自身がかつて監督した「コンドル」と似ているような気がする。

映画はさらに、マルティネリが親を失った赤ちゃん象を引き取ったことでひと波乱が起きる。

この子象さん、どういう訳かすぐ友達を呼んじゃうらしく、同じく親とはぐれた子象が段々集まってきて、数日のうちにマルティネリは三頭の赤ちゃん象のママになる羽目に…。

クライマックスで、逃げるマルティネリをウェインたちと赤ちゃん象が追いかけるシーン(街のど真ん中)はまさに必見!!
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