ヨミ

ホーホケキョ となりの山田くんのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マンガが動く、という経験。
『かぐや姫の物語』はもう観ていたので、勲はやりたいことが一貫していたのだなあと感じた。

話としては、古き良き(もちろんそのなかに抑圧的構造はあるが古い話なので……)人情ある家族のドタバタギャグなのだが、いわば「めちゃくちゃアニメが動く日常系」のような感じで、普通に楽しんで観ていた。しかし所々目を見張るようなアニメーション(結婚式でのボブスレーの動き方とか!)があり、流石だなと舌を巻いた。
暴走族に注意しに行くシーン、お父さんが注意しに行くときは急に頭身がリアルになり、やや雰囲気が緊迫していく。そこでの掛け合いも緊張感が抜けず、おばあちゃんとお母さんがリアル頭身でやってくる。ふざけているものの、しかし画面のリアリティによって、雰囲気は崩れない。次のショットでおばあちゃんが暴走族に語りかけると、突如デフォルメに戻る。すると『となりの山田くん』雰囲気が戻ってきて、暴走族たちがそれに飲み込まれるようにして(包摂されるように)大人しくなっていく。なんというか、こういう画風の柔軟さを見たことはなかったので驚いた。
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