真田ピロシキ

ホーホケキョ となりの山田くんの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.8
これは当時思ったことを覚えている。コンピューター制作で技術的には当時の先端を走っているのだが、それでいしいひさいちを見たい?と。宮崎駿がますます高密度を目指すのに対して、敢えて簡略化を極めたアニメーションには話だけでなく演出も含めたアニメのアンチスペクタクル化を思わせ、この頃は実写映画でもCGが発達してきていて何でも表現できるようになっていたが、表現しないことで観客の想像力に委ねることは映画を受け手に取り戻させる意味を持っている。その試みをジブリブランドでやってるのはその後の高畑監督がプロデューサーとして多様なアニメを送り出すことに繋がっていると感じられるが、絵コンテみたいな人物に加えて背景すら省略されていてはアニメーションとしての楽しみが私には見いだせにくい。たまにタッチが変わる時が一番見てて面白かったのがこの題材への興味の薄さで残念ながら高畑作品では一番面白くありませんでした。