爆裂BOX

放課後の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

放課後(1984年製作の映画)
3.5
突然の事故で両親を亡くしたローレンとアビーは、あまり親しくない叔父さんの家に引き取られることに。新しい街、新しい学校で真意一転学校生活を楽しむはずが、不良グループの標的になってしまい…というストーリー。
「13日の金曜日」のショーン・S・カニンガム監督による学園バイオレンススリラー。
不良のリーダーデュートラに目を付けられたアビーは、その誘いを断った事から嫌がらせを受ける事に。ローレンが反撃し、争いはやがて殺し合いに発展していくという内容です。
冒頭、早朝に軍人である父親と仲良くジョギングしたりトレーニングする兄妹の仲いい様子が爽やかに描かれますが両親が事故死し、疎遠だった叔父に引き取られ一緒に暮らすことに。この叔父さんが手作り感満載の遊園地や、ウサギやアヒルなど飼ってる動物園みたいなの作ってて、兄妹に仕事手伝わせたり、掘っ立て小屋に住まわせたり、発電機買いたいから兄妹の遺産引き出したり金目当てに引き取ったんじゃねーかと思わせられます。すぐ死んじゃう父親役で冒頭だけですがジョン・カーペンター映画の常連俳優トム・アトキンスが出演してます。
兄妹は転校して新しい学校に通うも、初日に不良グループのリーダーデュートラに妹アビーが目を付けられて誘いを断った事から嫌がらせ始めますが、イジメ方がアッサリしてて陰惨さにはあまり感じませんでしたね。物語が進んでいくとアビーがシャワー浴びてる最中に殺したウサギの死体放り込んだりしますが。更に兄妹もやられっぱなしではなく、軍人の父に鍛えられて腕っぷしに自身があるので不良グループボコボコにしたりもします。その後にトイレで襲われてボコボコにされたりしますが。叔父さんの車傷つけられて、デュートラの家に夜中に忍び込んで、ナイフ突きつけて縛り上げて修理代としてお金盗む所はどっちが悪人か分からなくなります(笑)
シャワーを浴びるアビーにジワジワ近付くデュートラやトイレの扉を閉めるとその裏に立ってる姿等ホラーっぽい演出は「13金」の監督だけありますね。
アビーを演じたのは「フルハウス」のレベッカ役で有名なロリ・ロックリンで、美人というより可愛い系ですね。彼女と転校初日に仲良くなる男子役でエリック・ストルツも出演しています。
不良グループのリーダーデュートラを若き日のジェームズ・スペイダーが演じてますが、まあこれが綺麗な顔したイケメンです。主人公ローレンよりはるかにイケメンですが、この頃からサイコな役がハマりますね。あの人形みたいな感情感じさせない眼が合うのかな。終盤になるまでやる事意外とショボいんですが。
終盤ではアビーを拉致してライターオイル身体にかけて火を付けようとしたり、レイプしようとしたり逃げ出したアビーを追ってショットガン持って遊園地に乗り込んできて、縛り上げた叔父さん闘犬に襲わせようとしたり仲間嚙み殺した犬ショットガンで吹き飛ばしたりする非道を行う程にエスカレート。逃げ隠れする兄妹追い掛けて遊園地でショットガンバンバン撃ちまく姿はもうギャングですね。
ミラーハウスや観覧車、小型ジェットコースターといった場所やモノを利用しながら兄妹が不良グループと戦う終盤はハラハラして盛り上がります。ガソリンのノズルに直接火をつけて火炎放射器みたいにして攻撃してくるデュートラとローレンの戦いも迫力ありました。
クズの不良たちとは言えあれだけ人が死んだ遊園地でそれを売りにして大繁盛するってどうなんだ?(笑)「バカどもが死んだ場所にご案内します」とか言ってるし(笑)最後の不穏な幕切れは良いですね。アイツらにパシリにされながらもあの環境で過ごして歪んだのかな。
「13金」の監督だけあって終盤の遊園地の戦い等ハラハラさせるシーンも上手く楽しめた学園バイオレンスでした。