プロデューサーなイメージの中川好久、唯一の監督作品。助監督は黒沢直輔。撮影は森勝。オープニング、キャバレーで炭坑節裸踊りという斬新さにびびるし三崎奈美志麻いづみ山口美也子みたいなキャストクレジットで期待度MAXに煽られちゃう。三崎奈美はスタイル抜群で素敵だ。芸術的ヌード。ストイックに東大一直線で徹夜で受験勉強してたら隣人山口美也子が訪ねてきてとかどんなロマンよ。山口美也子が誰にでも発揮する包容力と姐御っぷりがすごい。昔の男と体を重ねながらの、あの現実だけを見据えたまなざし。やっぱり山口美也子は素晴らしい女優だ。対する三崎奈美はからっぽだけど、それはそれで佳き。場末感がやばいキャバレーで、それぞれ背景ありつつ勤労に励むお嬢さんたち。わかりやすい林ゆたかのクズっぷり、この人もすごい名優。橘雪子や粟津號のサブエピソードも、雑な扱いなわりに名優揃えてるもんだからすごく良かった。脚本は大工原正泰、ペーソスあふれてエモい。志麻いづみ出てこないなーと思ったら岡本麗同様すごいチョイ役でびっくり。孤独じゃないから、二人で頑張れるから、キャバレーなんてどこにだってあるし何があったって歌い踊れば楽しいから、どんと来いどんと来い。泣いた。
