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二十四の瞳のcamusonのレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
3.0
小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、
時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、
フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、
思わずため息がこぼれます。

しかし、長い作品です。
二時間半という時間が非常に長く感じられました。

前半、子供たちに、子供らしさを演じさせてしまっていて、
本来子供が持っている自然な生き生きとした勢いが感じられず、
これが、延々と続くので、参ってしまうのです。

後半、教え子達も戦争の波に巻き込まれていくのですが、
淡々と巻き込まれていく様子が、淡々と描写されていく感じです。
個々の悲劇に対する感情移入よりも、
元教師から見た若干俯瞰的で、間接的な描写で、
冷静に戦争の無情さを表現しているのは、よいと思います。

後でキャストを確認したときに、天本英世や清川虹子、浦辺粂子など、
後の妖怪級が何気なく出演していたことに気づき、
それが一番の驚きでした。まったく気づかなかったので。
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