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二十四の瞳のdiesixxのレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
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JAIHOにて久々再見。
小豆島の低学年が通う分校。新米教師の大石先生(高峰秀子)と12人の子どもたちの牧歌的で素朴な交流は序盤。怪我で休んでいる大石先生に会うため、長い道のりを歩く子どもたちが「せんせー」と泣きながら駆け寄る場面…ただでさえ泣けるが、その後の子どもたちの過酷な運命を思うと滂沱の涙。
澄み切った子どもたちの瞳を生け捕りにするようなクローズアップ。大石先生が何としてでも守りたいと願う子どもたちに、戦争と軍国主義、貧困、病苦、不公平が容赦無く襲いかかり、むしり取っていく。全編を彩る唱歌にひたひたと軍歌が忍び寄る。静かな演出に木下監督の怒りと反戦を感じずにはいられない。
「あんたアカやと評判になっとる」と大石先生を詰る校長先生、「怖い怖い。平穏にいきましょ」と事なかれ主義の同僚、あーなんか今と同じだなと思い至り、しばしぶぜんとする。
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