ハレンチ学園在学生

二十四の瞳のハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
5.0
40年前に一度見た。今回は再見。戦後日本映画不滅の傑作であると同時に、小豆島の海と山の光景を日本中に知らしめた作品でもある。壺井栄の原作を読むものがいまどれくらいいるのだろう。本作も顧みられることは少なくなっているに違いない。ところどころに入る唱歌や軍歌、12人いる生徒たちを紹介する制約もあり尺は2時間半を超える。長い。が、ほぼ全編を通して登場する高峰秀子の演技を見ているとつい感情移入をしてしまい「泣きみそ先生」よろしくずっと泣きっぱなしになっていることに気づく。本作の成功は高峰秀子を得たことで作り物の域を超えてそこに真の大石久子を現出させてしまったことにある。木下惠介の演出もあるには違いないが、高峰秀子の存在が何よりも大きい。天本英世が高峰秀子の夫として登場していたことは全く覚えていなかった。いい男ぶりだった。