タカシサトウ

蛇イチゴのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

蛇イチゴ(2003年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ここに描かれているのは、明智家の家族が崩壊して行くというより、崩壊している家族の一人一人の事情が表面に出て来ることだろうと思った。

 父親(平泉成)の借金も、母親(大谷直子)の介護ストレスも、そして、息子周治(宮迫博之)の詐欺まがいの放浪も、娘(つみきみほ)の生真面目過ぎていて皆に引かれているのも、どことなくデフォルメされ過ぎていて不自然だと思ったけれども、こんなに酷くても、人生は続いて行く、絶望的じゃない、ということなのだろう。

 父の借金に付け込んで、家族の財産を持ち逃げようとしているかもしれない周治(一応主人公?)が、どことなく、家族を救う救世主的にも取れるような所も、それでもいいのかも、と(監督が)言っているようだ。ラストもそんな感じ。 

 西川美和監督の、人は一見そう見えても、何考えているか分からない所がある、と言っているかのように思われた。この作品が原点だろうし、監督の作品は、どこか、そういう所があるようだ(2022.3.21)。