ひろ

蛇イチゴのひろのレビュー・感想・評価

蛇イチゴ(2003年製作の映画)
3.5
監督デビューとなる西川美和監督・脚本による2003年の日本映画

現在注目を集める女性監督・西川美和の監督デビュー作品。数々の映画賞で新人賞を受賞した。日本の家族が崩壊していく様をシニカルに描いた脚本には才能を感じる。洋画でもウディ・アレンとかロバート・アルトマンみたいにシニカルな作風が好きだから、西川美和監督のこれからが楽しみだ。

明智家長男・周治を演じたのは映画初主演となる雨上がり決死隊の宮迫博之。最近は芸人をちゃんと役者として扱うようになってるけど、宮迫もしっかり役者してる。口八丁の兄という役にハマってた。相方の蛍ちゃんがちょっぴり出演してて笑った。

妹の倫子を演じたつみきみほ。真面目に生きていた小学校教師で、兄とは正反対の性格。この兄妹の関係性が物語の核になっているが、信念と家族の絆にゆれる倫子の姿を見事に演じていたと思う。

父親役の平泉成や母親役の大谷直子もよかったけど、痴呆の祖父を演じた、明石家さんまの師匠である笑福亭松之助の演技はすごかったね。一芸に秀でた人は何をやらせてもすごいんだな。

西川美和という才能を感じることもできるし、俳優としての宮迫博之も楽しめる作品になってるんじゃないかな。宮迫で蛇イチゴってタイトルだと、天然素材の作品だと思っちゃう人もいるかもね(笑)
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