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蛇イチゴのmakoのレビュー・感想・評価

蛇イチゴ(2003年製作の映画)
4.0
《2018#37》

一見平凡そうに見える家族が実はそれぞれに隠し事があり、祖父の死をきっかけにそれが明るみに出るというもの。 
ただ倫子だけは隠し事がなく真面目な良い子。 でも真面目過ぎるが故に言うことは正論だけど冷たい感じがする。 

キャストがそれぞれハマってて演技が上手かった。 
真面目で正論を言う倫子役のつみきみほ。 
口から生まれたようなお調子者の兄役の宮迫博之。 
ボケた義父の介護を頑張っている母親役の大谷直子。
仕事熱心な父親役の平泉成。 
ボケた祖父役の笑福亭松之助。 
この家族のリアル感がよくできていた。 
家族の事を分かっているようで分かっていない。 

人間の醜い部分を炙り出すような映画でした。 
果たして、あの話は本当だったのか、嘘だったのか。
題名の「蛇イチゴ」はラストで明らかになります。 


倫子の生徒役で染谷将太君が出てました。 
出演シーンは少なかったけど、出てきてすぐに染谷君だと分かりました。お目々がクリクリで可愛かったです♪ 


シネマモードで2ヶ月に一回開催されている「ヨコゲキ」に初めて参加しました。 
ヨコゲキとは、中国放送のアナウンサー横山雄二さんが映画を選びその映画の解説をしてくださる企画です。 
そして今回は『蛇イチゴ』の監督の西川美和さんも来て下さり、一緒にお話を聞くことができました。 
西川監督は是枝裕和監督のお弟子さんだそうです。 
テロップに是枝監督の名前があったのはそういう事だったのかと合点しました。 

西川監督の話を箇条書きで 
*これは西川監督が25.6歳の時に脚本を書き27歳の時に撮った。監督のデビュー作です。
*この映画の題材は夢だそうです。 
倫子は監督自身。お兄さんは夢では殺人犬。 
夢が面白かったので映画の企画はなかったが脚本を書いていた。その時は脚本が電話帳くらい厚かったそう。是枝監督が若手に脚本を書いてもらおうという企画があり、その脚本をもう一度手直しし、面白い所だけ抽出してできたのがこの脚本。 
*『ゆれる』も題材は夢だそうで、この頃は面白い夢を見ていたそうです。 
他にも色々とお話をして下さり、楽しくて貴重な時間を過ごす事ができました。 
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