ため息が出るほどレイフ・ファインズとナターシャ・リチャードソンが様になる一対で、その映像のアンニュイな雰囲気が、あの時代の不確実さにぴったりで、あっという間の140分弱でした。
惜しむらくは、真田さん演じるマツダの描写が足りないように感じたこと。言葉だけの説明でなく、どんな人間かがわかるエピソードを一つ入れてくれたら、もっと危うさが出たように思います。
晴れた日よりも、ちょっと肌寒くて、小雨がそぼ降るような、そんな日に観たくなるような作品でした。ナターシャの早すぎる死が、改めて残念に感じられました。合掌。