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上海の伯爵夫人のodyssのレビュー・感想・評価

上海の伯爵夫人(2005年製作の映画)
4.0
【見応えのある歴史もの】

ジェームズ・アイヴォリー監督作品。カズオ・イシグロ原作、英米独中合作。 

1930年代の上海を舞台に、戦争の迫り来る中、事故で家族と視力を失い失意の中で生きる元アメリカ外交官(レイフ・ファインズ)が、革命で故国ロシアを追われダンスホールで働いている倫落の伯爵夫人(ナターシャ・リチャードソン)と知り合い、「夢のバー」を作ろうとする話である。 

ヒーローに側面から協力する謎の日本人(真田広之)など脇を固める役者もいいし、動乱の時代に翻弄されながらもはかない夢に賭けようとする人間の営為が観客の胸を打つ。

レイフ・ファインズや真田広之の味は言うまでもないが、ヒロインのナターシャ・リチャードソンも悪くない。ナターシャなんて名だからてっきりロシア人かと思ったら、パンフによると英国人だそうで、ジョエリー・リチャードソンの姉だとのこと。 

妹ジョエリーは『チャタレイ夫人の恋人』のヒロインをやったりしてその美貌が世界的に知られているが、姉は美貌度では妹に負けるように思うけれど、この映画の役にはぴったりである。
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