スガシュウヘイ

浮き雲のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
4.0
なんだこれは!
超名作。知らなかった。


不幸が立て続けにおこるわけだが、
なんだかこの夫婦は最初からわりと無表情で、不幸の中でも変わらず感情の上げ下げが少ない。だからこちらもそこまで深刻な気分にならずに済む。


淡々と不幸を「こなしていく」二人。
二人はいつも前向きだ。

この二人を見ていると、不幸すら笑えてくる。


みすぼらしい飲食店で働くこととなった妻のことば
“私が素敵な店にしてみせる”
は凄い。
この逆境で、よくこんな言葉がだせるなぁ。


そうだ。
どんな環境だって、私の心構えしだいじゃないか。


ラスト、レストランの前で空を見上げる二人。
なんと美しい表情だろうか。



公開:1996年(フィンランド)
監督:アキ・カウリスマキ