葉

浮き雲の葉のレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
5.0
フィンランドは、今でこそ幸福度ランキングなるものが上位のイメージがあるけど、『浮き雲』が制作された当時は深刻な不況を抱えていたのですね。

夫婦共に、リストラ……
カラーテレビも、ソファも、車も売る始末。
雇い口が見つからなくて自暴自棄になって暗い展開になると思いきや、カウリスマキ監督の手にかかれば苦境にも関わらず人物たちの行動のシュールさにクスッと笑えてしまうのだ。
映画をタダ見してるくせに、途中で抜け出して「駄作だ!金返せ!」と店の女の子(しかも妹!)に文句つけて不機嫌になるシーン好き。
夫婦揃って自尊心が削られまくっても淡々と受け流してあれよあれよと生き抜いていく。倒れても起き上がる。

レストランが繁盛して良かった。
葉