黒凡人RX

浮き雲の黒凡人RXのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
3.7
国民の幸福度ランキングで毎年一位に選ばれる国、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品。初めて観た彼の作品は去年23年公開の「枯れ葉」。続けて今回96年の「浮き雲」を自宅にて鑑賞。作家性である徹底した抑揚のない芝居、🟥と🟦の背景、メディアから流れるニュース、という雛形は変わらない。皮肉なことに、当時のフィランドは経済不況の最後期で、景気はどん底。当時の国民の幸福度も低くて納得。※2018年から2023年まで連続で幸福度トップを獲得するまでに経済が再生している。はずだが‥

2作品を見比べて観て、23年を描いた最新作の方がより閉塞感が増しているように感じる。個人的には枯れ葉の方がより辛い現実世界とのギャップがあって、より痛くて、だからこそ笑えた。映画の底力を見た気がした。他の作品も観てみよう。
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