しらすごはん

浮き雲のしらすごはんのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
3.5

ルックがスタイリッシュ。

ハリウッド映画にない不思議な魅力のある映画です。

アキ・カウリスマキ監督の作家性なのか、フィンランドだからなのか、独特の色合いの物語。

フィンランドは、
社会福祉制度整っていて、幸福度が高い国というイメージを持っていましたが、当時(90年代)の日本より融通のきかない冷たい社会の側面があったのですね。

出演者が皆さん仏頂面。

たいていどこか壊れています。

イロナの勤めるレストランは、人員過多だし、寒々としています。

職場斡旋の相談所が、お金と引き換えに電話番号教えるシステムなんて。

しかも、不確かでいい加減な情報だったし。


舞台は、90年代のヘルシンキ。

ラウリ(カリ・ヴァーナネン)とイロナ(カティ・オウティネン)は夫婦共働き。

夫婦に子どもはいない。

ラウリは市電の運転手。

妻イロナは名門レストランの給仕長を勤めている。

ラウリが、リモコン付きカラーテレビをローンで買っちゃっうなど、やや分不相応の生活をしていた。

それでも共働きであればなんとかカツカツでも生活はできるけど、ある日突然、夫婦に不幸な出来事が重なって起きる。

ラウリはリストラにあう。

イロナの勤めるレストランも、閉店に追い込まれてしまった。

夫婦は新しい職を探し求めるものの、これまでのスキルを活かせる職は見つからない。

夫はバス運転手になれそうだったのに、聴力検査にひっかかり内定を取り消される。

妻はとんでもない経営者の酒場で働かされ、給料もろくにもらえない。

そこで、夫婦は、自分たちで新しくレストランを出すことを決める。

しかし、資金を捻出すべく、銀行にいくけれど、全く相手にされない。

袋小路に入った夫婦に幸せは訪れるか…
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