バナバナ

ケンタとジュンとカヨちゃんの国のバナバナのレビュー・感想・評価

3.2
タイトルから学園物かと思ってみたら、救いのない話でした。

昔の高度成長期だったら、解体業にしろ、大工さんにしろ、塗装業にしろ、景気が良かったので、気風の良い親方もたくさん居て、孤児だろうが施設育ちだろうが、田舎から身一つで出てきた人だろうが、よく面倒看てもらい、やがて一人前になって手に職を付けて独立し、自分が親方になって一国一城の主になった人も多かったんじゃないだろうか。
ケンタとジュンも、そんな時代に育っていたら、こういう結末にはならなかったかもしれない。

しかし今は、突然下請け外されたり、会社が倒産したり、クビ切られたりと、大人だって自分の身にいつ何が起こるか分からない。
余裕のある大人が少なくなった。

ジュンは中学のスキー合宿にお金が無かったから行けなかったけど、ケンタは参加した。
という事は、あの兄が弟の為に働いたお金で行かせてやったんだろうな。
映画では、あの兄は元々反社会性人格者みたいな描かれ方をしていたが、昔は彼もそうじゃなかったのかもしれない。
しかし、あの兄を指標にせず、もっと目標になる様な大人が近くに居ればよかったのに、と思った。
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