湿疹

愛していたが結婚しなかったアーシャの湿疹のレビュー・感想・評価

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60年代のコルホーズの狭い農村社会での架空の人間関係の話、かと思えば、進行するフィクションの中に、ドキュメンタリー性のある匿名の人間のカメラに向けたような向けてないようなお喋りが急に挿入されたり(こんなガチガチに固定カメラでドキュメンタリーとしてリアルなのか?)、不思議な構成の映画だった。この属人性の薄さ、なんなんだろう。もう少しちゃんと観て印象を留めたかった。真っ暗な森で出産するシーンなんかは臨場感があった。視界の開けたロングショットやそれを導入する感覚も結構よかった。戦車が道を遠ざかっていくシーンでもしばらく写してくれるから道がでこぼこだと兵士がえのきみたいに揺れる。人間がこんなに草原のど真ん中に立つショットも初めて見た。知らないおじさんの回想の中のブリューゲルみたいな雪景色。
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