マルケス

愛と精霊の家のマルケスのレビュー・感想・評価

愛と精霊の家(1993年製作の映画)
4.0
チリの作家イサベル・アジェンデの『精霊たちの家』が原作。自身の祖父母から始まる一族をモチーフとした壮大な物語が綴られている。
60年代にブームになったラテンアメリカ文学。現実と幻想が混在、風土的な神秘性が特徴でマジックリアリズムと呼ばれる。『精霊たちの家』もクララが不思議な能力を持った女性で、この系譜に連なる作品。

映画はスタッフ・キャストが欧米中心でラテンアメリカ感は薄め。ただ後半、クーデター勃発で一気にチリに連れ戻される。エステバンの晩年が『ゴッドファーザー』を思わせた。ハンス・ジマーの劇伴が似ていたせいかも。

とにかくキャストが異常に豪華。
20代だろうが50代だろうがメリル・ストリープの絶対の説得力。ジェレミー・アイアンズの妄信と傲慢さ。血まで凍る孤独と忍従を演じたグレン・クローズ。血まみれでも美しいウィノナの熱情。気品と包容力のヴァネッサ・レッドグレーヴ。特筆すべきはヴィンセント・ギャロ!感情を押し殺した不気味さにトリ肌。
演者に酔うとはこのこと。それだけでも一見の価値あり。グレン・クローズ&ギャロで0.5アップ。(バンデラス忘れてた。頑張ってましたw)
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