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湖のほとりでのodyssのレビュー・感想・評価

湖のほとりで(2007年製作の映画)
2.5
【ミステリーか、人間模様か】

ミステリーとして見た場合、謎が提示されてそれが徐々に解き明かされていくという、段階をへてのワクワク感みたいなものに欠けているのが難点です。意外性は多少はありますが、それだけではミステリーとは言えない。

かといって、警部の家族関係だとか、関係者の抱えるそれぞれの問題などを描いた映画なのかというと、そうとも言えないような。たしかに冒頭に描かれる事件で、ある種、変わった住民のそれなりの行動様式を提示しているところは、単にミステリーに必要なミスリードとしての役割だけでなく、人間の本質に切り込む何かを浮かび上がらせているとは思うんですけど、それが長続きしない。

ヨーロッパの小さな町の人間模様に徹するか、或いはミステリーとしての完成度にかけるか、いずれかを選ぶべきだった。

映像は、イタリア作品らしく、きれいです。
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