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バカヤロー! 私、怒ってますのakrutmのレビュー・感想・評価

3.2
80年代のフジテレビの夜中にショートドラマとして放映していそうな4話の作品からなるオムニバス映画。森田芳光監督が総指揮・脚本を担当していて、4話それぞれに当時の若手監督を起用している。中島哲也、原隆仁、堤幸彦など現在は一線で活躍している監督たちが、本作品で映画監督デビューを果たしている。それぞれのストーリーは異なるが、共通しているのは、理不尽な目に会いながらも耐えに耐えていた主人公が、堪忍袋の緒が切れて「バカヤロー!」と叫ぶというプロットである。

ちょうど学生だった当時(この頃に本作は見ている)を思い出して久しぶりに見ていたが、出演している俳優たちがとても懐かしい。バラエティ番組に良く出ていた相楽晴子とか、当時はドラマや映画で良く見かけた大地康雄とか、とても懐かしい。安田成美も可愛い。でも、映画として一番好きなのは、小林薫が主役の第4話。海外転勤が決まったサラリーマンの男性が苦手な英語を克服するために、英会話学校に通ったり、家庭での会話で日本語禁止としようとしたり、アメリカのビジネスマンとの会合に参加させられたりするが、どれも上手くいかないというストーリー。今も昔も変わらない日本人の英語に対するコンプレックス観をうまく表現している。
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