ゴン吉

新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義のゴン吉のレビュー・感想・評価

4.0
網走刑務所を出所した男の任侠を描いた「新網走番外地」シリーズの8作目で、「網走番外地」シリーズ通算18作目にして最終作品。
高倉健が主演、丹波哲郎、宍戸錠、田中邦衛、金子信雄らが共演、生田悦子、工藤明子がWヒロインを演じる。

「止めやしません だけど 死なないでください 何年でも待っています 今度はお願い あたいだけの 義理に情けに生きて欲しい」
オープニングは高倉健主演・藤純子共演の映画「昭和残侠伝」の網走刑務所での鑑賞会で始まる。
網走刑務所で服役中の末広勝治(高倉健)は、刑務所内でのいざこざで兄弟分の囚人(宍戸錠)が殺されてしまう。
出所した末広と弟分(田中邦衛)の二人は殺された兄弟分の奥さん(生田悦子)を訪ねる。
奥さんは北海ダムの建設を請け負う会社・北野土木を取り仕切っていた。
しかしライバル会社が権利を得ようと仕掛けてくる…

「北海道の荒野に ぶつかり合う あらくれ男のど根性 喧嘩は強いが女に弱い 男健さんどこへ行く」
夏の北海道を舞台に、高倉健が堅気の建設会社で、ライバル会社の嫌がらせに耐えながらも奮闘する。
ダンプの運転中に後ろからあおわれてスピード違反で捕まったり、雪渓までの悪路でのダンプ競争では崖から落ちてダンプが炎上するなど昭和初期ならではのトラックアクションが楽しめる。
北海道ならではのばんえい競馬での勝負も見どころです。
シリーズとしては珍しく高倉健が二人のヒロインを相手に三角関係を繰り広げる。 
クライマックスでは「姉さん 達者で」と一言告げて、馬に跨り殴り込み。
義理と仁義の狭間で、不本意ながらも信頼する兄貴分を演じる丹波哲郎との決斗も。
最後は悪党への渾身のドスのひと突きでとどめを刺し、血が湧きだして決めてくれる。

2023.2 BS12で鑑賞
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