Pinch

ヘアーのPinchのレビュー・感想・評価

ヘアー(1979年製作の映画)
3.8
今からすると、反戦というよりは自由の意味を問う物語のように思われる。自由を謳歌しても放縦に堕して失望感から抜け出すことはできず、権力に抵抗しても結局は失敗に終わる。ただ、何かはやった。失敗しても自由に何かができたことが大切なのだ。それさえあれば何とか生きていける。このようなアメリカ的な自由の精神は、今も明らかに生きている。そこが違うのだと思う。

リズムとメロディーを溌剌と刻みまくるベースギター、ヒットソングになることを意図的に避けたかのような精密な曲作りが印象的。やはり "Sodomy" にはギョッとする。このように性的タブーを堂々と打ち出すことにも意義がある時代だったんだね。論理的には分かるが、人間そう単純に事が運ぶわけじゃない。それでも、やることはやってのけたわけさ!
Pinch

Pinch