【第9回ベルリン映画祭 金熊賞】
『女鹿』クロード・シャブロル監督作品。ヌーヴェヴァーグの代表作でもあり、ベルリン映画祭で最高賞を受賞した。1959年キネ外国映画ベストテン第4位にもあがっている。
なかなか強烈な作品だった。タイトル通りいとこ同士の話。田舎から出てきたシャルル、パリに住む遊び人ポールはどちらも法学の学士を目指しているが…
こういうことってあるよな。自分に重ね合わせてみてしまう。僕はどちらかというとマメに勉強するというより、一気に知識を取り込んで吐き出すタイプ。なのでポールの方に近いかな。
女性を介した取り合いよりも個人的には本屋の店主との会話が興味深かった。「まだ若いんだから」と言われても本人にとっては屈辱でしかない。若いときはその若さの特権に気づけないものだよね。
シャブロル作品はこれまで『沈黙の女』のみ観ている。『沈黙の女』はあまり覚えていないほどハマらなかったが、本作は鋭い演出が面白く、飽きずに観ることが出来た。