クリーム

オープニング・ナイトのクリームのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
4.0
ジーナ·ローランズの『こわれゆく女』の演技が素晴らしく、こちらも観賞。こちらは、病んで行く中年女優を見事に演じていました。しかも酒浸りの感じがとっても似合ってて素敵でした。ご自身と重なる役がリアリティを増していて、見応えがありました。当時の女優さんの振る舞いも垣間見え面白かったです。

新作舞台「2番目の女」に取り組んでいた舞台女優マートルは、ある日、熱狂的ファンの若い女性ナンシーが事故死する現場に遭遇してしまう。心を痛め彼女の事が頭から離れなくなったマートルは、ナンシーの幻影を見る様になり、病んで行きます。勝手にセリフを変えたり、小道具を投げつけたり、観客に向かって喋り出したり、台本から逸脱した行為を繰り返すようになるのでした。



ネタバレ↓



若い子に嫉妬し年齢を重ねて来た事を気にしているのに自分よりも年上の役を演じるなんて冗談じゃない!と思っているマートルだが、そんな事を意見するのもプライドが許さない。そして、若い女性が羨ましいと思っていたら、亡くなったナンシーが意地悪な幻覚となって現れる。年増の役を逃れたくて、ヤりたい放題、酒を煽る。
ラストは、一人で歩けない程の泥酔状態で戻って来たマートルに手を貸そうとするスタッフをマニーが一喝。自分の力で成し遂げろと言います。そりゃあ流石に怒るよ。何とか舞台に立ち、演じる事で、酔いを抑え込む。最後は彼女の独断で話が喜劇へと変わっていました。見ていられなくて、マニー達は席を一旦立ちますが、観客の大喜びする姿に戻って来て、不満ながら笑みをこぼし成功を祝うのでした。

本当にいい加減にしろよ、オバハン💢ってお話です。だけど昔の大女優なんてあんなんだったんでしょうね。それでも彼女なりに悩みはあって、それを大女優が故に人に言えず、悟られない様にする姿や、それによって追い詰められ病んで行く様子がリアルで素晴らしかったです。泥酔した演技は、酔拳みたいで面白かったです。ジーナの演技を堪能する作品だったのでは、ないかと思います。またジーナの魅力に魅了されました。
完全に私の中では、病んでる役専門の女優さんになっているが、違う役も素晴らしいのでしょうね。他も観たくなりました。
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