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オープニング・ナイトのkojikojiのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
3.7
タイムラインでジャケ写が気になっていたが、縁がなくて観ることはなかった。
たまたま、今日、Kindleで開いた本にこの映画が紹介してあって、急に観たくなった。
ジョン・カサベテス監督、初体験だ。
「ローズマリーの赤ちゃん」は大ヒットしていたのは知ってはいたが、ホラー嫌い(当時)の私が観に行くわけがないし。

もう一人、主演のジーナ・ローランズは「グロリア」で注目されていたことは知っていて、何度か観かけたのだが、おばさんヒロインについて行けず、途中下車したまんまだつた。それでこちらも初だ。

映画は面白かった。劇中劇という手法は結構昔からあり、何本かは観ているが、こんなに身近に舞台を見せて、スタッフの息づかいまで感じるような映画は観たことがなかった。すごく見やすい演出だった。加えて途中はサンペンス、ホラーの要素まで加わり、ストーリーがどんな展開になるのか想像もつかず楽しめた。
もちろん、老いに苦しむ女優を演じるおばちゃんのジーナ・ローランズの演技がこの映画の見どころだろう。
コロンボのピーターフォークが顔を出したり、監督自身も出演したり、映画を盛り上げている。

#1449 2023年 481本目
1978年 アメリカ🇺🇸映画
監督、脚本:ジョン・カサヴェテス
製作、撮影:アル・ルーバン
音楽:ボー・ハーウッド

舞台女優のマートル(ジーナ・ローランズ)は、自分の熱狂的ファンの少女が車にはねられ即死する現場を目の当たりにする。
その衝撃から、精神のバランスを崩しはじめる。
この舞台、どう演じればいいのか、答えが見つからないマートルは次第に追い詰められていく。。そんなある日、車に撥ねられた少女が目の前に現れる。幻覚の始まりだった。

自らの老いを自覚しはじめた有名舞台女優が、追い詰められていく姿が辛い。
それ以上に舞台監督マニー(ベン・ギャザラ)の対応が、いちいちぐさぐさ心にささり、これが一番応えた。すかしたり、褒めたり、叱ったり、確かに成功させなさなければいけないけど、女優は溜まったものではない。
彼女自身も自分と戦っているのだから。

突然の死んだ少女の出現には驚く😱
マートル自身は若さの象徴として、自らが作り出した影みたいのことを言うが、いざ追い払おうとするとこの少女が暴れ出す。このシーンは、ゾッとする。
果たしてこの幻覚を乗り越えて、マニーの期待に応えられるのか、はたまたこのまま壊れてしまうのか。
それは観てのお楽しみ。
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