真鍋新一

出撃の真鍋新一のレビュー・感想・評価

出撃(1964年製作の映画)
2.3
女性がわざと指を切って血で日の丸のようにハチマキを汚したものを必勝祈願で特攻隊員に贈る風習とか、機械の故障で死に損なった隊員が精神的に追い詰められていくなど怖い話が当たり前のように描かれる。特攻機すべてには通信機器を積んでいないので、米軍の通信をどうにか傍受して戦況を確認していたとは、苦肉の策をやりすぎてスーパー貧乏になってしまうなんとも日本らしい残念なエピソード。

特攻があるたびにゴソっとキャストが入れ替わってそこに和田浩治や藤竜也が途中から出てくるのはうれしいのだが、話が深まる前に帰らぬ出撃をしてしまうため、オムニバス映画のなり損ないみたいになってしまっているのが残念。浜田光夫がアカペラで歌う「荒城の月」は良かったけれど…。
真鍋新一

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