このレビューはネタバレを含みます
リメイクと元になった作品、それぞれが個性的、尚且つ上質で面白いという稀有な作品。伝統的な日本芸能のような音楽と演出で、舞台の幕が下りるように場面の切り替わりがワンカットで展開する。家屋は勿論、山道や、岩肌、雪景色などの自然も全てセット撮影で、ホラー映画と見紛うほど異質な照明が負の感情を表現する。辰吉とけさ吉の性格がリメイクでは辰吉一人に割り当てられていたのに対し、こちらは女々しさ、雄々しさと二人に振り分けられていた。リメイクでは渦巻く人間の生々しさをこれでもかと見せつけてきたが、今作は素直な優しさや厳しさ、情緒や郷愁などを感じた。両作とも楢山迄の道程は長く、このまま目的地に着いてほしくない辰吉の心象風景のように。
三味線はダンスミュージックなのでノッてしまうのが難点…
