Kazumi

楢山節考のKazumiのレビュー・感想・評価

楢山節考(1958年製作の映画)
5.0
耳慣れない単語に歌舞伎の長唄。
教養がない故に聞き取れない箇所が多くて悔しい。

画面が鮮やかで目を見張る。カメラが上手いのか、美術が上手いのか、現像が上手いのか…全部だといいなぁ。
書割りも併用しつつの大型セット。
1959年版ベン・ハーのリアルガチ建て込み闘技場と並べても好き。

ドリーを多用したカット割りと舞台みたいな演出。
時間帯を表現する照明が絶妙。掟を語るシーンで一つ一つ照明が消えていく様子もゾッとして好き。

原作は小説だけれども、口減らしの話はどこにでも伝わる。
禁を破ってしまう辰平の悲しみ。
今じゃ考えられないけど、自ら死を選ぶおりんの固い意志。作り物だけど本物。

時は現代、SLが冬山を駆け抜けていくラストはグッときた。

なんとなく自分の好みが分かってきた。
Amazonさん、セールにしてくれてありがとう!
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