ノノ

赤い影のノノのレビュー・感想・評価

赤い影(1973年製作の映画)
3.9
終始不穏さが滲み出ていてゾクゾクする。娘の水死の後の不安定な夫婦が予言をする盲目の老姉妹の言葉に翻弄される。娘の事故の記憶からくる水の不吉さ、どこを歩いても川がある水の都ヴェネチアの街並みが不安を加速させる。娘が着ていた赤色のレインコートから映画全体に赤が印象的に使われる。
帰ったはずの妻と老姉妹の姿、夫婦はすれ違い続け、怒涛のラスト。妻の方が精神的に不安定と見せかけてより幻影を見ていたのは夫の方だったと分かる仕掛けが面白い。
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